1999年09月29日 京都府議会09月定例本会議・代表質問

九月二十九日、京都府議会定例議会の代表質問におきまして、こんどう永太郎議員が初の代表質問を行いました。
こんどう永太郎議員はまずはじめに、
『私にとりましては伝統ある京都府議会における初めての代表質問でございます。お許しを頂き、質問の前に一言ご挨拶を申し上げます。
育ての営みの中に幸せという価値を見い出し、それを日本人の幸福感とした日本の文化「育ての心」をいただき、未熟な私に、会派を代表しての質問の機会を与えて頂きました。自由民主党の尊敬いたします先輩議員のご配慮に心から感謝申し上げます。併せて、昨年4月知事選挙と同時に行われました西京区選挙区補欠選挙に続き、この4月の二期目への挑戦に、西京区の心ある多くの皆様方から、その熱い心と力強いご支援を賜り、府政の壇上に送り出していただきましたこと、深く感謝し、厚く御礼を申しあげます。』
と冒頭のあいさつを行い、自民党の代表として府政の課題について質問いたしました。


「京都府の新しい総合計画づくりについて」

こんどう永太郎議員は、まず長引く不況からの一刻も早い脱出と経済の再生をはじめ、少子・高齢化や情報化・国際化の一層の進展、環境問題の深刻化など課題が山積しておりますと、現在の問題点を指摘し、京都府のめざすべき将来像として、「誰もがいきいきと暮らせる社会」を築くことなどが理念の柱として打ち出され、現行の4府総のハード重視からソフト重視が特徴となっておりますと説明また、今後の施策を展開していく視点として、「府民参加型の府政づくり」「地域特性の重視」「都市と農村などとの連携強化」「整備した既存施設の活用」などが示されましたと、諸問題に対しての京都府の方針の現況と、合わせて、現在の第四次京都府総合開発計画におきましては、「府域の均衡ある発展」と「真の豊かさの実感できる社会の実現」の施策の実行、そのことが現下の不況対策としての景気浮揚策・雇用の確保にもなると思います。特段のご配慮を、重ねてお願い申し上げますと、付け加え、そして京都府の財政難の問題をおりまぜながら、ソフト重視、生活重視がよみとれますが、今後の京都府政の指針となり、京都府民の誇りとなる新しい総合計画の策定に当たっての基本的な考え方について、知事の御所見をお聞かせ下さいと、質問を切り出しました。

これに対しまして荒巻京都府知事は、
二十一世紀を間近に迫り、こんどう議員のご指摘の様々な問題がありその問題を行政と府民が連携して取り組まなければなりません。4府総までの成果を踏まえ、今まで建設してきた社会資本などを駆使して、生活福祉や産業の向上、地域の発展に活用させて、そして、また京都府と府民、市町村、国等がそれぞれの責任と分担のもとに協働・連携して、個性豊かで魅力ある京都府を築いていくための府政の基本方針となる新しい総合計画を策定したい、そのためには、審議会の委員の世代・男女バランスなど配慮し、府民の皆様から直接意見を聞く府民参加の取り組みを行いたい。本年度末には中間案をとりまとめ、府民の皆様の御意見をいただいた上、二十一世紀の始まりには、二十一世紀の京都ビジョンを府民の前に提示したいと約束されました。


「不況対策と京都産業の活性化について」

こんどう永太郎議員は、現在までの厳しい不況の現状について、又それに対しての国の景気対策、国と府の連携による不況対策について現在までの状況を報告し、京都は中小企業のまちであり、和装産業をはじめとする伝統産業や、商店街や小売業はもとより、近年、ものづくりの「オンリーワン企業」として成長してきた世界に名だたるハイテク産業なども、その多くが中小企業であります。景気の先行きにはまだまだ不透明さが残る中で、二十一世紀に向けて京都産業の一層の発展を図るためには、大部分が中小企業である京都産業の特性を十分に踏まえ、これからも決して気を緩めることなく、全力で不況・雇用対策を推進していただくとともに、新しい時代を見据えた積極的な取組を進めていただきたいと、心から願うものでありますと、付け加え、京都産業の要である『西陣・丹後をはじめとする繊維産業の振興について』質問いたしました。
業界全体の仕事の量が大きく減少し、職人さん達の中には、折角すばらしい技術や能力を持っているにもかかわらず、それを活かすことができずに、生活のためにやむなく転職や廃業を余儀なくされる方なども出てきており、これら産業の将来に深刻な影を落としております。
和装をはじめとする繊維産業は、府内の全製造業の事業所の半数以上を占め、従業員では約4分の1を占めるといわれております。また、室町などの流通業界はもちろんのこと、地域の商店街や観光事業者などを含め、関連する分野や産業は大変広範囲にわたっており、地域経済だけでなく、雇用や地域の活力、ひいては府民の暮らしそのものに重要な役割を果たしております。私は、厳しい状況の中ではありますが、こうした時こそ、京都の繊維産業の一層の振興を図っていくことが必要と考えるものですが、知事のご所見をお聞かせいただきたいと存じますと質問しました。

それに対しまして、荒巻京都府知事は、
繊維産業の復興について、財団法人京都和装産業復興財団に「西陣織・京友禅等産地活性化基金」五十億円を創設、その運用益と補助金とを併せ、毎年約一億円の助成を行うとの事そして、新商品の開発、観光や生涯学習と連携したさんちづくり事業などの新しい観点の取り組み支援をしていくこととして今議会に所要の予算をお願いしています。失業に関しての問題は「緊急雇用特別対策事業」の一環として、京都市と歩調を合わせ、働く機会をつくりたいと考えておりますとの、答弁をいただきました。

こんどう永太郎議員は、さらに、
『商店街の振興について』質問し、京都の商店街の現状を含め、個人消費の低迷や大型店の進出により、地域の商店街が一段と厳しい状況に見舞われております。かつての商店街は、周辺住民の暮らしの買い物の場として、また、お年寄りと子ども、住民どうしの貴重なコミュニケーションの場として、朝な夕なに賑わいと活気を見せておりましたが、若者をはじめとする買い物客の商店街離れに加え、長引く不況の影響で、今や存亡の危機にさらされているといっても過言ではありません。まちづくり3法の制定などにより、商店街を取り巻く状況が大きく変化していく中で、各地の商店街が厳しい不況を乗り越え、二十一世紀に向けて新たな発展を遂げていくためには、これら国の制度などを有効に活用しながら、新しい視点に立った創意工夫あふれる取組等により、大型店にはない魅力づくりを積極的に進めていくことが必要と考えますが、府内の商店街活性化における取組の状況も含めて、ご所見をお聞かせ下さいと尋ねました。

その質問に対しまして荒巻京都府知事は、
若者が定着し高齢者の皆さんが安心して暮らす事の出来る商店街の役割は重要であると、答弁されさらに、今年6月に府内で初めて、園部町において、「中心市街地活性化法」に基づいて商店街と公園や街路などを一体的に整備して、中心部に賑わいを取り戻すための基本計画が策定されると言う事案を紹介され又、本年度当初予算に計上した西陣地域の5つの商店街が連携して取り組む高齢者など人に優しい、西陣あったか商店街づくり事業が進められているなど、「大規模小売店舗立地法」が施行されておりますが京都府としまして「まちづくり3法」関連事業なども活用しながら京都市をはじめ、市町村と連携して商店街の活性化に向けて、今後とも積極的に支援を行いたいと約束されました。


「少子化対策について」

現在少子高齢化対策特別委員会の委員長として活躍しておりますこんどう永太郎議員は、その専門分野である少子化について知事に質問いたしました。
まず人口動態統計の例を出され、第二次ベビーブーム世代が二十才代に入り・結婚・出産年令を迎えているにもかかわらず晩婚化・高齢出産化傾向が続き、依然として少子化に歯止めがかかっていないことが改めて浮き彫りになっておりますと、現在の少子化の原因を例に出され、政府を挙げて、少子化対策に取り組み、家庭や子育てに若い人たちが夢をもち、希望を実現していくための環境整備は、社会全体で取り組むべき課題であり、政府が進めるべき少子化への対応のための総合的施策を検討の上、速やかにとりまとめ、関係閣僚の緊密な連携の下、着実に少子化対策を実施する旨申し合わせ、合わせて、随時会議を開催し、本年中に総合的な少子化対策の基本的な方針を策定することが申し合わされたとの事でございます。と政府の取り組みを紹介しました。
そして、少子化の進行は、労働力人口の減少による産業への深刻な影響や経済の停滞が懸念され、更にその中での高令化率の上昇による若年層への税金や社会保険料等の負担の増大も深刻な問題であり、また、子ども同士の交流の機会の減少や子どもへの親の期待が集中し、過保護・過干渉による、子どもの健やかな成長にとっての悪影響など、すでにその兆候が顕在化し、このまま放置することは出来ない課題であると、現在抱えている複合的な問題を指摘され、子どもの幸せは親子関係の中にあるという事実が反映した子育て支援としての家族支援・家庭支援についてどのようにお考えなのかお聞かせいただきたく思いますと質問し、合わせて少子化対策を進める上で、子育てと仕事を両立できる環境の整備として、乳幼児施設環境の整備等の子育て支援体制の整備が重要であると思いますと、現在の施設環境の不備を細かく指摘し、近年、子どもを保育所に入所させたくても、定員がいっぱいで入所出来ない、いわゆる待機乳幼児が大都市部を中心に多数いることが国の報告などで取り上げられておりますが、働きたくても働けない状況や、また、そのような状況に対する不安は、少子化を促進させる要因となっております。国においては、地域の実情に応じた少子化対策に関する預かり保育、教育環境の改善を図る等の事業を実施することにより保育所の待機乳幼児の解消を図るため、少子化対策臨時特例交付金が措置されたところでありますが、本府における待機乳幼児の況はどのようになっているのでしょうか。また、京都府としても九月補正予算に少子化特別対策事業が提案されていますが、どういった考え方でこの事業を活用していこうとしておられるか。更に、保育の現場としての市町村では、この交付金を利用してどのような少子化対策に取り組もうとしているのか。併せてお伺い致します。と質問いたしました。

それに対しまして、荒巻京都府知事は、
きょうと未来っこ21プランにおいて、家庭の果たす役割を重視し、子育てに悩む親への相談体制の充実、親子がふれあいながら、ともに学べる事業など、社会全体で子育て家庭を支える取り組みを積極的に進めています。待機乳幼児について市町村の実施する乳児保育や延長保育への支援努力を行い、待機乳幼児の解消にむけて市町村ともども連携し、一層の支援に努めてまいりたいと約束されました。
さらに、国の少子化対策臨時特例交付金について、京都府において福祉・教育・警察などの関係する機関が協力し、子育てを支援するなどの総合的な広報啓発事業に係る予算を今議会にお願いしているとの事で、又待機児童の早期解消のための乳幼児の保育環境を改善するための設備の充実、さらに子育て支援計画の策定など、それぞれの市町村の実情に応じた事業が検討されているところとの解答をいただきました。


「学校教育と家庭との関係について」

現代社会の自殺者増加の例や、学級崩壊の事例を出し、その要因の一つに家庭内部の空洞化が要因であると指摘し、日本の教育界の個性尊重や自主性や自由はややもすれば放任、放縦であり、何がよいことで、何がいけないことなのか?日本の伝統的な価値を教えず、道徳、倫理よりも個人の自由を優先させ道徳教育を放棄し、知識教育に走り、人間として内側に成長しあう道を捨ててきたのではないでしょうか。犠牲やモラルが家庭崩壊と共に消え、人権や法律や自由といったパワーゲームの道具に成り果てていく人工的なものが、人間社会を統括する時が近づいているように思います。親が子を育てるという自然な営み、その自然な親が子を育てる幸福感を社会の基盤にした家庭づくりを支援することにより倫理や秩序が復活し伝統的家庭の価値観を社会に取り戻す事が出来、その結果として学校での集団生活が可能となり、学校の教育化、教育の人間化としての学校教育がその存在意義を明らかにし役割を果たすことができると思いますが、知事のご所見を、おきかせいただきたく思いますと、質問いたしました。

それに対しまして、荒巻京都府知事は、
近年の都市化、核家族化、少子化の進行や産業構造の変化に伴い地域社会との連帯感は希薄化し、個人重視の風潮など、人の価値観も多様化してきていることなどより、家庭の孤立がすすんでいるのではないかと返答され、そのため、家庭教育を巡っては過保護・過干渉・無責任放任主義育児やしつけへの自信喪失など極めて困難な状況が生じてきている。その結果、自己中心的で突発的な暴力行動や不登校いじめなどの人間関係のつくれない等の特徴的な問題事象の大きな原因となっておりますと原因を出され、それに対しての京都府の対策として、各関係機関との連携を図りながら地域ぐるみの家庭支援対策を推進しているところであり、また、きょうと未来っ子21プランを基本に、家庭・学校・地域社会のそれぞれの教育機能の向上、社会全体で子どもたちが公共心や道徳心を備え、生き生き育つことの出来る環境づくりに努めたいと約束されました。


「京都府立医科大学及び付属病院に関することについて」

最後に、こんどう永太郎議員は、京都府立医科大学及び付属病院に関することについて質問しました。近年、高齢化の進展や疾病構造の変化に伴って、医療機関に求められる社会的使命は複雑多様化するとともに、さらに質の高い医療サービスの提供のあり形について、さらなる充実や見直しが求められているところでありますと、府立病棟の老朽化や、府民のニーズの多様化に対しての例を数点あげ、さらに付属病院は、不断に府民の医療ニーズに応えて高度の医療を提供する責務があるものと考えるところでありますが、この点で現在はどのような取組がなされているのか、特に診療科の再編成の取組が行われていると伺っておりますが、この内容と意義についてお伺い致しますと、一点目を質問しそして、そのような施策を行う場合の経営状態に関して、経営改善の観点から付属病院における取組についてどのように対処されているのか、そして、厳しい財政状況のもとではありますが、府立医科大学における今後の整備計画についてどのようなお考えを持っておられるのか併せてお伺いいたします。と締めくくりました。

それに対し、荒巻京都府知事は、内科及び外科の診療科の再編成を進めているところであり、診療科名を臓器別や疾病別に再編することにより、患者さんにわかりやすく表示するだけでなく、診療機能を専門的構成することにより今日の高度化医療に対応し効率的医療サービスを提供する体制を整備するものと返答されました。さらに、九月より、外科部門を再編成し、消化器外科など五つの診療科の外来診療等を開始するなどの実績さらに、内科部門の再編成を十二月開始に向けて取り組んでいると報告されました。経営改善につきまして。厳しい財政状況の中、一般会計からの多額繰出金の状況を改善するために、効率的病床利用の活性化やコスト削減の努力などの繰出金縮減に努めたいと答弁されました。そして最後に、外来診療棟の整備におきましては、医療の進展や患者の利便性などを確保する観点からも将来の重要な課題であると考えておりますとの答弁を頂き、こんどう永太郎の代表質問は終わりました。


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